专利摘要:
自動車用に適合した耐食性及びシーラー接着性の向上が可能な真空蒸着層を有する亜鉛系合金めっき鋼板及びその製造方法が提供される。この亜鉛系合金めっき鋼板は、鋼板上の亜鉛めっき層と、前記亜鉛めっき層上の亜鉛/金属系合金蒸着層とを有し、前記亜鉛めっき層内に金属拡散層が存在する。
公开号:JP2011508088A
申请号:JP2010540570
申请日:2008-12-23
公开日:2011-03-10
发明作者:サン−チョル イ、;ドン−ヨウル イ、;グワン−ソク キム、;テ−ヨブ キム、;ユン−ジン クワク、;ウ−スン ジュン、;ヨン−ファ ジュン、;キュン−ホン ナム、;サン−ホン パク、
申请人:ポスコ;
IPC主号:C23C28-00
专利说明:

[0001] 本発明は、自動車用に使われる亜鉛めっき鋼板及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、真空蒸着を用いて薄膜の亜鉛めっき鋼板をコーティングした後、真空蒸着鋼板の合金化熱処理を経て得られる亜鉛系合金めっき鋼板、及びその製造方法に関する。]
背景技術

[0002] 表面処理コーティング技術は、素材である鉄鋼材料には備えられていない特性を補うために適用されている。鉄鋼の表面処理分野においては、電気めっきと溶融めっきに代表される湿式表面処理技術が主に適用されているが、1980年代初めからCVD(化学気相蒸着法)及びPVD(物理気相蒸着法)等の乾式表面処理技術を適用、及び組み入れるための研究が進められている。従来のPVD及びCVD工程は、めっき及び皮膜形成速度に関する作業性及び生産性の面で、鉄鋼分野に適用されるには十分でないと知られてきたが、最近、先進鉄鋼企業を中心に生産性を確保できるコスト競争力のある高速めっき技術の開発が進められている。]
[0003] 自動自用鋼板に使用されている鋼板は、電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板及び合金化溶融亜鉛めっき鋼板の3種に大別される。電気亜鉛めっき鋼板は、表面外観が優秀であるため自動車用外板として使われているが、めっき後の作業時の作業性、製造コスト及び環境面で有利ではないため、その使用量は減少している。]
[0004] 溶融亜鉛めっき鋼板は、製造コスト面で電気亜鉛めっきに比べて安価であるが、めっき後の作業によって、機械的性質、成形作業時のめっき密着性、及び連続衝撃試験時の電極のスポット溶接性等が電気亜鉛めっき鋼板に比べて劣る。また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、素地鉄と亜鉛の合金化反応によりFe−Zn系金属間化合物を形成するため、塗膜密着性の塗装性及び電極の溶接性が電気亜鉛めっき鋼板及び溶融亜鉛めっき鋼板に比べて優秀であるが、合金化反応によりFe−Zn系合金相(ガンマ相)が生成し、鋼板加工時にめっき層が剥離するというパウダリングの問題が発生することがある。]
[0005] また、防水、腐食防止、振動吸収及び溶接用に使われるシーラーを鋼板上に接着して使う場合、衝撃剥離試験及びせん断強度試験の際にシーラーが剥がれ落ちる接着剤の凝集破壊は、シーラーによる鋼板の接着後に起こらないが、Zn−Feめっき層が剥がれ落ちるめっき鋼板の凝集破壊が、FeとZn間に形成される合金層のために、起こることがあるかもしれない。そのため、成形性、スポット溶接性、塗装性及び耐食性を全て満たすことができるめっき鋼板の開発が強く求められている。]
[0006] 上述しためっき鋼板では自動車鋼板が要求する全ての特性を満たすには限界があり、従来のめっき工程(電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき工程)に加えて、真空蒸着方式(抵抗加熱、マグネトロンスパッタリング、電子銃、イオンプレーティング)等を用いて薄膜めっき物質をコーティングした後合金化処理している。しかし、上記蒸着工程は、蒸着速度、蒸着歩留まり、及びエネルギー効率等が低くなるという短所がある。]
[0007] 上記のようなめっき鋼板を確保するための既知の技術としては、特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び特許文献4がある。これら先行特許文献は、めっき層の密着性及び高耐食性のZn−Mg合金めっき鋼板を得るために、抵抗加熱蒸着方式により鋼板にZnを蒸着した後、Zn蒸着鋼板にMgを蒸着し、その後、Zn/Mg蒸着鋼板を熱処理する技術を開示する。この場合、Zn/Mg蒸着鋼板は、Zn−Fe合金層またはZn−Fe−Mg合金によりZn−Mg合金めっき層の密着性を高め、加工性及び耐食性を向上させることができる。しかし、これら先行技術は、多数の蒸着工程及び合金化処理工程を行わなければならないため、経済的ではなく、さらに、合金化処理時、Zn−Fe間に生成される合金相によって、シーラー接着性テスト時にめっき層の凝集破壊を引き起こすおそれがある。また、他の既知の技術として、特許文献5では、溶融亜鉛めっき鋼板及び電気亜鉛めっき鋼板上にFe、Mn、Cu、Mg、及びNi等の金属元素を電子ビーム蒸発またはマグネトロン蒸発を用いて0.1〜3μmの厚さで蒸着させた後、合金化処理して亜鉛系合金めっき鋼板を製造する方法が開示されている。この技術では、亜鉛と薄膜のコーティング物質の合金化処理時、鋼板(Fe)と亜鉛間に合金相が生成されることにより、シーラー接着後の衝撃剥離試験及びせん断強度試験時にシーラー間に剥離が発生する接着剤の凝集破壊ではなく、Zn−Feめっき層が脱落するめっき鋼板の凝集破壊が発生する問題が依然として存在する。]
先行技術

[0008] 日本国特開第1996−060342号公報
日本国特開第1996−134632号公報
日本国特開第1997−078229号公報
日本国特開第1998−317125号公報
欧州特許出願公開第0756022号明細書
韓国公開特許第2004−085192号公報
韓国公開特許第2007−067097号公報]
発明が解決しようとする課題

[0009] 本発明は上記した従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的はシーラー接着性及び耐食性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板を提供することにある。]
[0010] また、本発明の目的はシーラー接着性及び耐食性に優れた亜鉛系合金めっき合板の製造方法を提供することにある。]
課題を解決するための手段

[0011] 本発明の一側面によると、鋼板上に形成された亜鉛めっき層と、上記亜鉛めっき層上に形成された亜鉛/金属系合金蒸着層とを有し、上記亜鉛めっき層内に金属拡散層が存在する、シーラー接着性及び耐食性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板が提供される。]
[0012] また、本発明の他の側面によると、亜鉛めっき鋼板上に亜鉛/金属系合金を蒸着し、亜鉛/金属系合金蒸着層を形成するステップと、上記亜鉛/金属系合金蒸着層が形成された上記亜鉛めっき鋼板を250℃以上300℃未満の温度で熱処理するステップと、を含む、シーラー接着性及び耐食性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板の製造方法が提供される。]
[0013] 本発明において、上記亜鉛/金属系合金の金属は導電性金属が好ましく、この導電性金属は、Mg、Al、Mn、Cr、Cu、Ti、及びNiからなるグループから選択される少なくとも1種であることができる。]
[0014] 本発明において、上記亜鉛/金属系合金蒸着層の蒸着に使われる合金は、Mg、Al、Mn、Cr、Cu、Ti、及びNiからなるグループから選択される少なくとも1種以上を90〜95重量%含み、及びZnを5〜10重量%含むことができる。]
[0015] また、本発明において、上記亜鉛めっき層の厚さは1.4〜5μmであり、上記亜鉛/金属系合金蒸着層の厚さは0.1〜1μmであり、及び上記亜鉛めっき層と上記亜鉛/金属系合金蒸着層との間に形成される金属拡散層の厚さは1〜4μmであることが好ましい。これによって、亜鉛/金属系合金蒸着層から金属の一部が拡散して上記亜鉛めっき層と上記亜鉛/金属系合金蒸着層との間に金属拡散層が形成されるか、または上記金属の拡散が亜鉛/金属系合金蒸着層の厚さ全体にわたって起き、上記亜鉛めっき層上に金属拡散層が形成される。上記拡散層は、元の亜鉛/金属系合金蒸着層と類似した組成を有する亜鉛/金属系合金層である。]
[0016] また、亜鉛/金属系合金の亜鉛めっき鋼板への蒸着は、亜鉛/導電性金属系合金を1×10−2〜1×10−5mbarの真空下で交流磁場により浮揚させて行われることが好ましい。本発明及び請求の範囲において、上記用語「浮揚」は、浮揚(levitation)だけでなく、半浮揚(semi−levitation)を含み、ここで、半浮揚は、浮揚される物質と上記浮揚される物質の量を補充するための供給物との間の連結が存在することを含む。]
[0017] さらに、上記亜鉛めっき鋼板の熱処理は誘導加熱方式または紫外線加熱方式により3〜100秒間行うことが好ましい。]
発明の効果

[0018] 本発明の一実施形態によると、亜鉛系合金めっき鋼板は、めっき層の密着性の確保だけでなく、従来の自動車用のめっき後の亜鉛めっき鋼板に代えることができ、高耐食性及び優れたシーラー接着性の特性を有する。そして、本発明の一実施形態による亜鉛系合金めっき鋼板は、高耐食性を有する自動車用めっき鋼板に適用することができ、また、構造用スポット溶接シーラーである強力な構造用接着剤に使用可能である。]
図面の簡単な説明

[0019] 本発明の一実施形態に従って亜鉛めっき鋼板に亜鉛/金属系合金を真空蒸着して得られた鋼板を示す図である。
本発明の一実施形態に従って亜鉛/金属系合金蒸着層が形成された亜鉛めっき鋼板を合金化熱処理した後に得られた鋼板を示す図である。]
[0020] 以下、図1と図2を参照し、本発明の一実施形態による亜鉛系合金めっき鋼板及びその製造方法について説明する。しかし、添付された図面は本発明の実施形態を説明するためのものである。したがって、添付の請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当技術分野の通常の知識を有するものによれば、修正及び変更が可能であることは明らかであろう。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張されることもある。] 図1 図2
[0021] 本発明の一実施形態によると、上記亜鉛系合金めっき鋼板は、素地鋼板と、上記素地鋼板上の亜鉛めっき層と、上記亜鉛めっき層上に形成された亜鉛/金属系合金蒸着層とを有し、上記素地鋼板と上記亜鉛めっき層との界面には亜鉛/鉄系合金相が存在せず、上記亜鉛めっき層内に金属拡散層が存在する。]
[0022] 本発明の一実施形態において、亜鉛めっき層は素地鋼板上に形成され、例えば、電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板などが適用可能である。本発明の一実施形態として、上記亜鉛めっき層の厚さは1.4μm以上が好ましく、1.4μm未満であると、所望の程度の耐食性が得られないことがある。経済的には、5μm以下が好ましいが、必ずしも5μm以下に制限されるものではない。]
[0023] この亜鉛めっき層上には亜鉛/金属系合金蒸着層が形成される。亜鉛/金属系合金蒸着層において金属は導電性金属が好ましいが、これは静電気を利用した浮揚方式が適用される蒸着方法の側面を考慮したものである。このような導電性金属の例としては、Mg、Al、Mn、Cr、Cu、Ti、及びNiからなるグループから選択される少なくとも1種であることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。]
[0024] 本発明の一実施形態として、亜鉛/金属系合金蒸着層において金属はMg、Al、Mn、Cr、Cu、Ti、及びNiからなるグループから選択される少なくとも1種であることが好ましい。より好ましい例として、上記亜鉛/金属系合金蒸着層は、90〜95重量%の導電性金属と5〜10重量%のZnとを含む。これは導電性金属と亜鉛に対応する蒸気圧と温度を考慮したものである。]
[0025] 本発明の一実施形態として、上記亜鉛/金属系合金蒸着層の厚さは0.1〜1μmであることが好ましい。上記亜鉛/金属系合金蒸着層の厚さが0.1μm未満であると、めっき鋼板の固有の粗さのため耐食性の向上を期待することが難しい一方、1μmを超過すると、耐食性は向上するが、肉厚なため亜鉛/金属系合金蒸着層の加工時にパウダリングが発生し、かつ経済的でないという問題点がある。]
[0026] 本発明の一実施形態によると、素地鋼板と亜鉛めっき層との界面に亜鉛/鉄系合金相が存在しないことが好ましく、これはシーラー接着性を考慮したものである。本発明の一実施形態によると、亜鉛めっき層における金属の少なくとも一部の拡散により亜鉛/金属系合金蒸着層と亜鉛めっき層との間に形成された亜鉛/金属系合金層、または、亜鉛/金属系合金蒸着層と亜鉛めっき層の一部から形成された亜鉛/金属系合金層は1〜4μmの厚さを有する。]
[0027] 本発明の代表的な一実施形態を挙げて亜鉛系合金めっき鋼板の製造方法をさらに詳しく説明する。]
[0028] 本発明の一実施形態では、亜鉛めっき鋼板に亜鉛/金属系合金を蒸着することで、亜鉛/金属系合金蒸着層を形成する。亜鉛めっき鋼板の例としては、電気亜鉛めっき鋼板または溶融亜鉛めっき鋼板が適用可能である。]
[0029] 亜鉛/金属系合金蒸着層は、真空蒸着方式として通常の真空蒸着法、例えば、電子ビーム法、スパッタリング法、熱蒸発法、誘導加熱蒸発法、イオンプレーティング法などによって形成されることができ、好ましくは、生産性向上のために高速蒸着が可能な電磁誘導加熱方法によって形成することが好ましい。電磁誘導加熱については特許文献6と特許文献7に提案されている。]
[0030] 通常の真空蒸着方法は、処理温度が高く、気体化しなければならないコーティング物質が常に液体状態で存在するため、コーティング速度に限界がある。例えば、電子銃を用いた電子ビーム蒸発の場合、コーティング物質はセラミックまたは銅で作られたるつぼの中に存在することになる。銅るつぼの場合は、水を用いて集中冷却することによって銅が溶けたり、同時に気体化しないように注意する必要がある。銅るつぼを冷却すると、相当量の熱が損失されるという短所がある。セラミックるつぼの使用は、高温でるつぼ材質と化学反応しないコーティング材に限られる。また、大部分のセラミックるつぼは熱導電率が低いため、必要とする熱エネルギーの供給に問題がある。したがって、電磁導加熱方式が最も好ましい。]
[0031] 電磁誘導加熱方式の真空蒸着は以下のように行われることができる。真空チャンバで電磁気コイルに高周波電源を印加して電磁気力を発生させると、亜鉛めっき鋼板上にコーティングされることになる亜鉛系合金物質は、交流電磁場に取り囲まれた空間で浮揚するようになり、また、この方法において、高周波交流電流により交流電磁場が生じる。気化するコーティング物質を空中に浮揚または半浮揚させると、従来の銅やセラミックのるつぼは不要になり、温度による制約条件もなくなるため、気化させるコーティング物質をより高温に露出させ、亜鉛系合金物質を高温蒸着させることができる。導電性合金物質はローレンツ力によって交流電磁場内に閉じ込められるが、ローレンツ力は外部電磁場と導電性物質によって誘発される渦電流とが相互作用をしながら発生し、交流電磁場内で導電性物質を浮揚させる。この場合、導電性物質は浮揚されながら溶解する。これによって、この導電性合金物質が浮揚された状態で大量の金属蒸気を発生させ、その蒸気を蒸気分配ボックスのノズルを介して高速噴射してめっき層を形成する。]
[0032] 本発明の一実施形態によると、真空蒸着は1.0×10−2mbar〜5.0×10−5mbarの真空チャンバで行われるが、これはチョーキング条件と均一なめっき層を得るためである。]
[0033] 本発明の一実施形態によるコーティング時、浮揚物質の組成は本発明の一実施形態として亜鉛と導電性金属との合金を含み、導電性金属を90〜95重量%含み、及びZnを5〜10重量%含むことが好ましい。導電性金属の例としては、Mg、Al、Mn、Cr、Cu、Ti、及びNiからなるグループから選択される少なくとも1種を含むことができる。例えば、亜鉛(5〜10wt.%)−マグネシウム(90〜95wt.%)、亜鉛(5〜10wt.%)−アルミニウム(90〜95wt.%)、または亜鉛(5〜10wt.%)−マンガン(90〜95wt.%)を有する亜鉛/金属系合金物質を用い、静電浮揚を使用する物理気相蒸着(PVD)を用いて、0.1〜1μmのめっき厚さを有する亜鉛/金属系合金蒸着層を蒸着させることが好ましい。これは、上述した浮揚物質はそれぞれの物質の固有蒸気圧を有し、蒸発される速度がそれぞれ異なるためである。したがって、それぞれの浮揚物質の蒸気圧/蒸発温度に応じ、浮揚物質に対して適切な構成比を維持しないとめっき鋼板に所望の成分比でコーティングすることができないため、連続コーティング時には蒸着物質の供給及び制御のために適切な合金物質の構成比を守ることが重要である。10−4Torrの蒸気圧に該当する温度をそれぞれ比較すると、アルミニウムは1080℃、マンガンは647℃、マグネシウムは327℃、及び亜鉛は250℃であり、特に亜鉛の場合、低温で相当な量の蒸発が可能であることが分かる。したがって、上述した組成通りに浮揚物質を供給・維持して静電浮揚を使用する物理気相蒸着を施すと、電気亜鉛めっき鋼板または亜鉛めっき鋼板上に蒸気圧が最も高い亜鉛がまず先に蒸着し、実質的に同時に、亜鉛より蒸気圧が低いアルミニウム、マンガン及びマグネシウムなどの他の成分が薄く蒸着される。これによって、亜鉛めっき鋼板の表面から亜鉛の含量が減る傾斜亜鉛系合金めっき薄膜が形成され、亜鉛(10wt.%未満)−マグネシウム、アルミニウム、マンガン(90wt.%以上)で構成されためっき層への密着性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板を製造することができる。合金蒸着層の蒸着厚さが0.1μm未満であると、電気亜鉛めっき鋼板または亜鉛めっき鋼板が有する固有の粗さのため耐食性の向上を期待することが難しい一方、1μm超過であると、耐食性は向上するが、肉厚なため加工時にパウダリングが発生し、経済的でないという問題点がある。]
[0034] 本発明の一実施形態によると、亜鉛/金属系合金蒸着層が形成された亜鉛めっき鋼板は合金化熱処理が行われる。合金化熱処理温度は250℃以上300℃未満とすることが好ましい。この範囲内で熱処理することで、素地鋼板(Fe)と亜鉛めっき層との脆性合金相(Fe−亜鉛)を生成しない温度で、亜鉛/金属系合金蒸着層と亜鉛めっき層間の拡散が起きるようにすることができる。これは、250℃未満または300℃以上であると、亜鉛/金属系合金蒸着層の金属が亜鉛系めっき鋼板に拡散せず、また、300℃以上であると、素地鉄と亜鉛との金属間に脆性合金相が生成され、シーラー接着性テスト時にめっき層の接着不良によりめっき層の脱落が発生するためである。]
[0035] 本発明の一実施形態の好ましい例としては、合金化熱処理は誘導加熱方式または紫外線加熱方式が適用可能である。この際の加熱時間は3〜100秒が好ましい。これは、加熱時間が3秒未満であると拡散化が得られ難く、100秒を超過すると素地鋼板と亜鉛めっき層間の合金化が進行するためである。]
[0036] 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。]
[0037] 自動車用の0.8mmの厚さの電気亜鉛めっき鋼板(1.4μm以上の亜鉛めっき厚さ)または溶融亜鉛めっき鋼板(5.0μm以上の亜鉛めっき厚さ)に、亜鉛(5〜10wt.%)−マグネシウム(90〜95wt.%)、亜鉛(5〜10wt.%)−アルミニウム(90〜95wt.%)、または亜鉛(5〜10wt.%)−マンガン(90〜95wt.%)で構成された合金物質を用いて、1.0×10−2mbar〜5.0×10−5mbarの真空チャンバで、静電浮揚を使用する物理気相蒸着法(PVD)を用いてコーティングを行い、表1に示すような薄い亜鉛系合金めっき物質のコーティングを行った。表1の従来例は抵抗加熱またはマグネトロンスパッタリングなどの蒸着方式を用いた。]
[0038] コーティング後、真空チャンバから出た亜鉛系合金めっき鋼板はストリップロックの出口を通じて大気中に放出され、誘導加熱を用いた熱処理領域で表1に示したような熱処理を行った。そして、表1のように上記薄膜めっき及び熱処理条件を変化させながら、亜鉛系合金めっき鋼板を製造した。このとき、熱処理時間は3〜20秒とした。]
[0039] このようにして亜鉛系合金めっき鋼板(Zn−Mg、Zn−Mn、及びZn−Al)に対するシーラー接着性、耐チッピング性及び耐食性を評価し、その結果を下記表1に示した。]
[0040] ここで、シーラー接着性は、エポキシ樹脂で構成されたGM社から市販されている耐食性用ヘミングシーラー接着剤M8514を用いて、2つの25×150mmサイズの鋼板に25×12.5mmの接着面積で0.2mmの厚さで塗布し、焼付けした後、50mm/minの速度で引張試験し、鋼板の破壊形態を観察して評価した。シーラー接着性の評価基準は以下の通りである。]
[0041] 1:良好(シーラー間の凝集破壊)、2:普通(めっき層とシーラー間の界面破壊)、3:不良(めっき層の凝集破壊)]
[0042] めっき鋼板の耐食性は、めっき鋼板を平板及びコップにドローイング加工後に評価した。耐食性の評価はJIS Z2371に基づいて塩水噴霧試験時の初期のさび発生時点を記録し、自動車用鋼板に使われるGIめっき後鋼板(90g/m2)を基準として相対評価した。耐食性の評価基準は以下の通りである。]
[0043] 1:優秀、2:普通(GI90g/m2の水準)、3:不良]
[0044] めっき鋼板の耐チッピング性は、めっき鋼板をリン酸塩で処理して、約23μmのめっき厚さで電着させ、耐チッピング試験機を用いてめっき鋼板の試験片の設置位置を砕石投射口から350mm離れた位置に維持した後、−20℃に冷却した試片をショット材が90゜の角度になるように設置し、道路用砕石に規定されている7号砕石(50g±1g)を用いて4kgf/cm2の空気圧力でショットを行う。試験終了後、接着テープを用いて、試験片から、破壊された塗膜及び浮き塗膜が観察される塗膜を剥がし、画像分析器を用いて基準となる限度見本と比較した。耐チッピング性の評価基準は以下の通りである。]
[0045] 1:優秀(GA同等水準以上)、2:普通(電気亜鉛めっき鋼板または溶融亜鉛めっき鋼板同等水準)、3:不良]
[0046] ]
[0047] 上記表1に示したように、本発明のめっき鋼板の成分の範囲を満たす発明例17〜28の場合は耐食性及びシーラー密着性が著しく改善し、優れていることが分かった。]
[0048] これに対し、従来例1〜4において薄いめっき(0.1〜3μm)のMgコーティング後、300〜400℃で合金化処理した場合、耐食性及び耐チッピング性は優秀であったが、合金化処理時の亜鉛と素地鉄との合金化反応によりFe−Zn間に合金相が生成されるため、シーラー接着性テスト時にめっき層の凝集破壊が見られた。]
[0049] Zn−Mgがコーティングされた比較例5の場合には、耐食性を改善するのに十分な薄いめっきのコーティングが行われず、耐食性の向上効果は見られなかった。比較例6〜8の場合、耐食性向上のための十分な薄いめっき層及びZn−Mg合金めっき層は生成されたが、Zn−Mg合金化処理時に亜鉛と鋼板(Fe)間において所望でないFe−Zn合金相が生成されたため、シーラー接着性が劣位にあった。]
[0050] Zn−Alがコーティングされた比較例9、10、及び12は、耐食性を改善させるのに十分な薄いめっき層及びZn−Al合金めっき層は生成されたが、合金化処理時、亜鉛と鋼板(Fe)間にFe−Zn合金相が生成され、シーラー接着性テスト時にめっき層の凝集破壊が発生した。比較例11は耐食性向上のための十分な薄いめっき層の厚さが生成されなかった。]
[0051] Zn−Mnがコーティングされた比較例13、及び14も上述したZn−Mg及びZn−Al合金めっき鋼板と同様に、耐食性改善のための十分な薄いめっき層及びZn−Mg合金めっき層は生成されたが、合金化処理時に亜鉛と鋼板(Fe)間にFe−Zn合金相が生成されることによってシーラー接着性テスト時にめっき層の凝集破壊が発生し、比較例15、及び16は耐食性を向上させるに十分な薄いめっき層の厚さが生成されなかった。]
[0052] 本発明により製造された試片に対するXRD試験結果から、本発明の鋼板は、亜鉛めっき層内では導電性金属の拡散層(合金相)が確認されたが、鋼板と亜鉛めっき層の間では確認されなかった。]
実施例

[0053] 本発明は、例示的な実施形態に関連して示され、説明されたが、当技術分野の通常の知識を有するものであれば、添付の請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、修正及び変更が可能である。]
权利要求:

請求項1
鋼板上に形成された亜鉛めっき層と、前記亜鉛めっき層上に形成された亜鉛/金属系合金蒸着層とを有し、前記亜鉛めっき層内に金属拡散層が存在する、シーラー接着性及び耐食性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板。
請求項2
前記亜鉛/金属系合金の金属は導電性金属である、請求項1に記載のシーラー接着性及び耐食性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板。
請求項3
前記導電性金属は、Mg、Al、Mn、Cr、Cu、Ti、及びNiからなるグループから選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のシーラー接着性及び耐食性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板。
請求項4
前記亜鉛/金属系合金蒸着層の蒸着に使われる合金は、Mg、Al、Mn、Cr、Cu、Ti、及びNiからなるグループから選択される少なくとも1種以上を90〜95重量%含み、及びZnを5〜10重量%含む、請求項1に記載のシーラー接着性及び耐食性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板。
請求項5
前記亜鉛めっき層の厚さは1.4〜5μmであり、前記亜鉛/金属系合金蒸着層の厚さは0.1〜1μmであり、及び前記亜鉛めっき層と前記亜鉛/金属系合金蒸着層との間に形成される亜鉛/金属系合金層の厚さは1〜4μmである、請求項1に記載のシーラー接着性及び耐食性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板。
請求項6
前記鋼板と前記亜鉛めっき層との界面には亜鉛/鉄系合金相が存在しない、請求項1から5のいずれか1項に記載のシーラー接着性及び耐食性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板の製造方法。
請求項7
亜鉛めっき鋼板上に亜鉛/金属系合金を蒸着し、亜鉛/金属系合金蒸着層を形成するステップと、前記亜鉛/金属系合金蒸着層が形成された前記亜鉛めっき鋼板を250℃以上300℃未満の温度で熱処理するステップと、を含む、シーラー接着性及び耐食性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板の製造方法。
請求項8
前記亜鉛/金属系合金の前記亜鉛めっき鋼板への蒸着は、亜鉛/導電性金属系合金を1×10−2〜1×10−5mbarの真空下で交流磁場により浮揚させて行われる、請求項7に記載のシーラー接着性及び耐食性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板の製造方法。
請求項9
前記亜鉛めっき鋼板の熱処理は、誘導加熱方式または紫外線加熱方式により3〜100秒間行われる、請求項7に記載のシーラー接着性及び耐食性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板の製造方法。
請求項10
前記亜鉛/金属系合金は、Mg、Al、Mn、Cr、Cu、Ti、及びNiからなる導電性金属のグループから選択される少なくとも1種以上を90〜95重量%含み、及びZnを5〜10重量%含む、請求項7から9のいずれか1項に記載のシーラー接着性及び耐食性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板の製造方法。
請求項11
前記亜鉛めっき層の厚さは1.4〜5μmであり、前記亜鉛/金属系合金蒸着層の厚さは0.1〜1μmであり、及び前記熱処理によって前記亜鉛めっき層と前記亜鉛/金属系合金蒸着層との間に形成された亜鉛/金属系合金層の厚さは1〜4μmである、請求項7から9のいずれか1項に記載のシーラー接着性及び耐食性に優れた亜鉛系合金めっき鋼板の製造方法。
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